精神疾患や発達障害の当事者が取得できる場合がある精神障害者保健福祉手帳(以下、障碍者手帳)。
実際に取得してみたはいいものの、障害者手帳を用いることでどういったサービスを受けられるのかがよくわからない…そんな人も少なくないと思います。
そこで今回は、障害者手帳で受けられる公的サービスや制度に関して、皆さんにお伝えしたいと思います!
目次
1.税金が安くなる
2.スマホ料金が安くなる
3.公共交通機関の運賃が安くなる
4.公営の駐車場・駐輪場の利用料が安くなる
5.公共施設の利用料が安くなる
1.税金が安くなる
障害者手帳を持つことで得られる最も大きなメリットは、やはり税金が安くなることでしょう。
この記事を読んでいる方にも、障害を持ちながらも一生懸命に働いている方も少なくないと思いますが、そんな中でも経済的にキツイと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、障害者手帳を持っていると使えるのが障害者控除の制度です。
障害者控除を申請することで、その年に払った所得税ならびに住民税の一部が戻ってきます。
申請方法は確定申告ないし年末調整の時期に作成する申告書の所定欄に、所持している障害者手帳の種類、等級、交付日を記載するだけ。そのひと手間を加えるだけで、比較的簡単に申請できます。
何かと出費の多い年末に、障害者控除のお金が戻ってくるため、正直助かる制度です。筆者も、その戻ってきたお金を、年末年始の帰省の新幹線代に当てていたりします(笑)
2.スマホ料金が安くなる
現代に生きる人々にとって、もはやなくてはならないといっても過言ではないコミュニケーションツール、スマートフォン。
そんなスマホの利用料金ですが、安くはない月額料金が負担になっている人も少なくないのではないでしょうか。
そこで知っておきたいのが、障害者手帳でスマホの利用料金が割引になる制度です。
筆者の知る限り、大手3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)に限ってですが、障害者手帳を持つ方を対象にした割引制度があります。
どの程度の割引になるかは各キャリアによって異なりますが、基本料金の割引と5分の通話が無料になったケースがあります。
割引の申請方法としては、各キャリアのショップで手続きをするか、ドコモとauに関しては以下の番号から電話で申し込むこともできます。
ドコモ ☎ 0120-800-000(携帯電話からは151)
au ☎ 0077-7-111(携帯電話からは157)
スマホの料金を安くすることで、月々の負担を減らすことができるでしょう。
3.公共交通機関の運賃が安くなる
障害を持ちながら生きるにあたり、通院のための移動や福祉施設への通所において、公共交通機関を用いる方は多いと思います。
また、元気のある時は遠くに旅行へ行きたいと考える人もいることでしょう。
その際には、障害者手帳で公共交通機関が安くなることを知っておくと便利です。
例えば、比較的近距離の移動で使う路線バス。
市町村によっては、路線バスを無料で利用することができるフリーパスが交付されることがあります。
こちらは市町村の役所の障害者支援を担当する課で申請することでもらうことができます。多くの場合、障害者手帳の申請をすると、フリーパスも申請するかを尋ねられるため、その際に申請すると便利でしょう。
また、バス会社によっては、降車時に障害者手帳を提示することで運賃が半額や無料になることがあるため、お住まいの市町村のバス会社の障害者割引制度に関して調べてみることをおススメします。
また、路線バス以外にも障害者割引制度を導入している交通機関があります。
現在の所、高速バスや鉄道会社の多くにおいて障害者割引の対象になるのは、残念ながら身体障害者(身体障害者手帳)と知的障害者(療育手帳)のみとなります。
ですが、航空機やフェリーを利用する際には、精神障害者保健福祉手帳でも障害者割引の対象になる会社が多くあります。
筆者も障害者手帳を用いて、割引料金で航空機やフェリーを利用したことがあります。
その際の運賃は、航空機では6割程度、フェリーでは半額程度に抑えられました。
航空機やフェリーでの障害者割引の申し込み方は、各会社によって異なりますが、
①ネット予約を取る際に、障害者割引を選択する
②電話予約で障害者割引を申し込む
③空港や港の窓口で障害者割引を申し込む
といった方法が考えられます。
遠方への移動の際、障害者割引を利用することで、交通費を抑えることができるため、大変に助かる制度です。
4.公営の駐車場・駐輪場の利用料が安くなる
障害者手帳を持ちながらも公共交通機関を使わずに、自分の自動車や自転車で移動をする方もいらっしゃると思います。
その際に困るのが、自動車や自転車を停める場所ですよね。多くの場合は、有料の駐車場や駐輪場を借りて、愛車を停めることでしょう。
その際、駐車料金や駐輪料金が安くなったら助かると思いませんか?
公営の駐車場においては、精算時に障害者手帳を提示することで、利用料金が半額、場合によっては無料になる市町村があります。
また、公営でなくとも、公共施設などの駐車場において障害者手帳の提示で割引を受けられる場合があります。
お出かけの際は、公営あるいは公共施設が所有する駐車場において障害者割引が使えるかどうかを調べてから行くと、安く抑えられるかもしれません。
また、駐輪場の関しては、定期利用に限ってですが、公営の駐輪場を無料で利用できることがあります。
一定の駐輪場で定期利用の申し込みをする際に、障害者手帳を提示することで、一定期間(1カ月間、半年間など)無料で利用することができます。また、一定期間ごとに更新をすることで、長期的に無料で利用することができます。
5.公共施設の利用料が安くなる
障害者手帳を持っていても、やはり元気な時はお出かけをしたいですよね。
そんなお出かけ先でも、障害者手帳で割引をしてもらえる場所があります。
有名どころでは、映画館です。障害者手帳の提示で、1000円で鑑賞することができます(レイトショー料金よりも安い!)
また、博物館、水族館、スポーツ施設などでも、障害者割引が適用される施設も多く存在します。
だけど、自分の住む都道府県や市町村の中でどの施設が障害者割引を実施しているのかわからない…そんな声も多くあることでしょう。
そんな時に便利なのが↓このサイト、「障害者手帳で行こう!」です。
各都道府県、市町村単位で障害者手帳が使える施設が見やすくまとめられているため、大変に重宝するサイトです。
お出かけの予定を立てる際には、参考にしてみてくださいね。
6.おわりに
障害者手帳が交付されたとはいっても、どういった局面で役に立てることができるのかがわからない人も少なくないことでしょう。
ですが、障害者手帳を活用することで、経済的負担が減って少しだけ生きやすくなると思います。
障害者手帳をフル活用して、少しだけ楽をして生活してみてはいかがでしょうか。